山田正紀『夢と闇の果て』集英社文庫

ネタバレ一応注意。
沖縄を舞台に、世紀を超えて展開する歴史伝奇SF。
戦後混乱期だったり、薩摩統治下の「琉球」だったり、沖縄をめぐるさまざまな時代の位相に、SFとしての中心的なイメージを背骨に通して展開。SF的な思弁性と象徴性が、時代エンタメ的な面白味と合致して、読ませるものになっている。
ただ正直SF全開のパートには自分の素養の欠如を感じるところ大で、時代風俗描写に感興のある戦後パートをもっと読みたかった。SF的なイメージより、まずはボーイ・ミーツ・ガールに惹かれるものを感じたあたり、まだまだヌルい読者であります。
評価はB−。

夢と闇の果て (集英社文庫)

夢と闇の果て (集英社文庫)