bloodthirsty butchers 『youth(青春)』

12th。

人は死んだらここから消えてどこへ行くんだろう
あたり前のように又 夜に手を掛ける
(「レクイエム」)

なんて、あまりにも暗示的な一節から始まる、吉村秀樹生前最後のアルバム。
ブッチャーズに関する個人的な思い入れは、訃報の前後に確か書いたので繰り返さない。
それすらももう二年も前の話になってしまったけど、このアルバムは今聴いても新鮮に美しい。キャリアを通じてどんどん人懐こくなっていったメロディと詞、そんな中相変わらずの独特さで屹立する歌唱、そして唯一無二の轟音の詩情は、凶器のギター二本差し、ソリッドな音塊が残響に尾を引くまで、もはやただ呑まれているしかない。
「レクイエム」「デストロイヤー」「サイダー」あたりのキャッチーさに身を委ねても楽しいが、「ハレルヤ」の音像は最初から最後までツボだった。かっこよさに涙腺が緩む。

狂った和音に生ずるビートよ
(「ハレルヤ」)

《マダマダアルヨ》の言葉に恥じない、This is hardcore. 不滅のギターの傷痕。

youth(青春)

youth(青春)