BUMP OF CHICKEN 『RAY』

7th。
どうしようもなく思ってしまったので書くけど、まずジャケットのデザインが酷すぎる。俺が「デザインがいいものは中身もいい」というテーゼの信奉者だからかもしれないけど、このデザインは中身の音楽に対する意欲を著しく阻喪する。まあ今までだって大したデザインはなかったけれど…。
テンション上がらなかったので短くなってしまうけど、よかった点は藤原のヴォーカル。安定して表現力が増し、楽曲の中での存在感はますます増している。だけどその一方で、やはりバンド全体での表現力という意味では見るべきものを見出せない。声が立てば立つほど、そのバックの不足が気になってしまう。タイトルチューン「RAY」がその印象の中心で、なんかピコピコいってる軽い音が邪魔で、もうヴォーカルだけで聴きたいと思ってしまうぐらいだけど、かと言ってバンプの場合アコースティックな曲は好きになれないんだよな。
でもそれはこれまでだって感じ続けてきたこのバンドのキャラクタでもあって、結局は詞曲にこれまでほどの切実性を見出せなくなっているのが本当のところなのかもしれないのだけど。「天体観測」や「ロストマン」を、あの時の気持ちで聴けたことを僥倖とすべきなのかもしれない。今作で一番気に入ったのは「トーチ」だったけど、もう音楽を聴くという行為の意味合いが、それら遠い記憶のものとまったく違う。
『COSMONAUT』は好きだったので残念だったけど、こう心が動かされなくなったのが、デザインからくる先入観だと思いたいw でもバンプのアルバムをレンタルで済ませるようになるとは、かつてからは考えられない、なかなかに寂しい話です。