佐々木丸美『花嫁人形』講談社文庫

ネタバレ一応注意。
孤児シリーズ。北国の五人姉妹の愛と哀しみを描く佐々木ロマンス。
一つの家族の中心に一人の男が在って、それを巡って惹起される恋の鞘当て、ってまんまこないだの『夢館』と同じ構図。
いつものポエジィはもちろん、どうやら「サーガ」構想であるらしい企業/血族の対決要素も、どこか現実味の薄さがファンタジックな演出となって、独特の作品世界を構築している。
「独特の作品世界」とかって、佐々木作品の度に思考停止のようにそればっか言ってるけど、でもそうとしか語れないんだものしょうがないよね。
評価はB−。

花嫁人形 (講談社文庫)

花嫁人形 (講談社文庫)