折原一『失踪者』文春文庫

ネタバレ注意。
埼玉県は久喜市で15年の歳月を隔てて起こる連続女性失踪事件を、それを追うノンフィクションライタの視点で描く。
うーん、一応トリックてかサプライズは仕掛けられているんだけど、時系列の絡ませ方がシンプルで狙いは早い段階で見えてしまう。高嶺とかってあからさまに怪しいので、それを逆手にとってさらにもう一捻りあるかと思いきやまんまだし。叙述トリックの効果よりサスペンス優先したんかな、いまいち読みどころの分からない小説だった。
常々嫌悪を表明している「折原節」の不快感は比較的抑えめだったのは、無駄に長い作品だったので救いだった。
評価はＣ。

失踪者 (文春文庫)