ネタバレ注意。
家庭内読書会「森博嗣完全読破」企画、第一回課題本。
「さようなら。また会えると良いわね」女の声だけが聞こえた。「どこにいるのかは問題ではありません。会いたいか、会いたくないか、それが距離を決めるのよ」
(279p)
何回目かも憶えてない再読だけど、懐かしさを軽く凌駕して、何度読んでも鮮烈で完璧なプロット、枚挙に暇ないキラーフレーズの嵐、感嘆しかないですね。昔ノートに転記してたフレーズなんか、相変わらず素敵すぎた。
でもなんか『霧越邸』みたいに、「原風景」みたいな印象ってあんまりないんだよね。常にそこには「憧憬」というフィルタと距離があって、そこから生まれ出たわけでもなければ、またそこにたどり着けない自分の感性を感じる。
森博嗣作品にしか感じない、少し寂しい高揚感です。
評価はA+(再読)。
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/12/11
- メディア: 文庫
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