illion 『UBU』

1st。
RADWIMPSのフロントマン、野田洋次郎のソロプロジェクト。
鍵盤とストリングスとエレクトロニカ、多彩なフックとリズムパターン、詞曲両面でのジャパネスクの先鋭化。そこかしこに鋭いエッジを立てつつポピュラリティも担保した、充実のソロ1stです。
個人的な聴きドコロ。「BRAIN DRAIN」でドアタマにして披瀝される荘厳さと神秘性。「BEEHIVE」の転調一発の鮮やかさ。「PLANETARIAN」「ESPECIALLY」といったラッドに親和性のある速いポップは嗜好ぴったりのところだし、一方で「GASSHOW」みたいなメッセージの強い、更に大スケールの世界観を広げても、曲とヴォーカルの「強さ」が負けていないのもさすが。やっぱヴォーカルの力は大きいよね、浮遊感・透明感だけでは「GASSHOW」のクライマックスのカタルシスは成立しない。あと俺インストの小品「INEMURI」も好きだけど、コレ『花とアリス』のメインテーマそっくりだよね。いや、どっちも好きだからいいんだけどさ。
詞がちょっと観念的、メッセージ打ち出すのも古語包みだったりなのは、ソロはそういう方向性でいくんだと思うけど、このヴォーカルの表現力とソロでの完結性の高い世界観が、一点に凝縮されたようなラブソングを聴いてみたいという思いもあり。
結局ラブソング聴きたいだけか、俺は。

UBU

UBU