チャットモンチー 『変身』

5th。
劈頭の表題曲に決意表明されているように、二人態勢への変化を「引き算」にせずに、新しいバンドの、音楽の形をのびのびと表現してやろうという意気の清新なアルバム。
「ハテナ」や「きらきらひかれ」のシンプルさと疾走感とか、「少女E」のグランジ的なヒリつきとか、ラスト「満月に吠えろ」の高らかさ勇ましさとか、ロックとして好きになれる要素が前のアルバムより多かったのでよかったです。若干、あコレ聴かねえな…って曲があったりはしましたが。
ヴォーカルも今までよりエモーショナルな感じがしたし、詞もかなりイニシアティブ取ってる様子で、橋本絵莉子のコンポーザから完全な中心人物への脱皮が感じられもします。ただ橋本詞のファニィさと相反した毒って、俺的にはあまり前面に出てこない方がアルバムという単位においてはアクセントになると思っていて。「恋愛スピリッツ」しかり「やさしさ」しかり。その意味で高橋詞のこまやかさとストーリィがなくなったのはやはり引き算に感じられてしまうな…なのであっこさんには艶っぽい詞をもっと書いてほしいです、「染まるよ」レベルまでは求められずとも。
でも、「ふたり、人生、自由ヶ丘」とか、かわいらしくて素敵ですよね。

変身

変身