ネタバレ注意。
表題作は評判いいみたいだけど、俺にとってはよくある幻想ホラーの域を出なかった。
「蟲」は話として単純すぎるように思うし、グロテスクな要素が作品の雰囲気・作家の美意識として結実せず、から騒ぎに空転しているような印象があって、その様は長編「蜘蛛男」においても同様。
その意味で「盲獣」は「触覚芸術」という触媒と、「盲獣」の館、という奇想の情景がきっちり提出されているだけマシと思うが、やはり物語の粗雑は受け入れ難いものがあるなあ、と。
今後もこうした「通俗長編」が続くようなら結構キツいぜ、と思った、未だ30分の5。
評価はC。
- 作者: 江戸川乱歩
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2005/01/12
- メディア: 文庫
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