ネタバレ一応注意。
長編ミステリ…なのだけど。
何を思ってこんなプロット、叙述スタイルにしたものだか、事件もそれに対する描写や展開されるロジックも、すべてがあまりに迂遠でまどろっこしい。油断するとすぐ何が語られているのか見失ってしまうが、集中力を傾け続けるにはちょっと魅力に乏しい。ショートショート出身者らしいユーモアの断片だけではとても。
なんだか独特すぎて、ちょっとアンチミステリ的な風情さえ醸している怪作であるが、俺がミステリに求める明晰さとは対極にあるような作品だなあと。正直、何も入って来なかった。
評価はC−。
- 作者: 奥田哲也
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1996/07
- メディア: 文庫
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