大崎梢『配達あかずきん』創元推理文庫

ネタバレ注意。
とある駅ビルの書店を舞台にした「日常の謎」、シリーズ短編集。
坂木某以外、どうしても創元の日常の謎には身構えてしまうし、書店モノってのも内輪のヌルさを感じてしまって手に取る障壁になっていたのだけど、読んでみてそんなに悪くはなかったです。
最初にある「ストーリィ」が重視されてしまって、プロットやロジックに飛躍が見られる、あるいは真相のスケールに追いついてないきらいはままあるけれど、それが必要な部分はこまやかに書かれていると思うし、予想より落ち着いていた。少なくとも読んでて「厭な感じ」はあまりしませんでした。
アタマの二作品*1はちょっと大仰で、力の入りすぎた感じはしたけど、「六冊目のメッセージ」あたりは心あたたまった。でもこの変種「見えない人」プロット、取次担当者でもよさそうだけど、きっと伝わらないよね…。
評価はC+。

配達あかずきん―成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)

配達あかずきん―成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)

*1:「パンダは囁く」の暗号は、暗号モノで初めて分かったな。ちょっと嬉しかった。