村瀬継弥『着流し探偵事件帖 青空の下の密室』富士見ミステリー文庫

ネタバレ一応注意。
もう、ラノベの仕事しか来なかったんだろうね…。
トリック*1がどうとか、作品全体を覆う偽善的な押しつけがましさがどうとか、まともに書くのもバカバカしい、単に酷く稚拙な小説です。ラノベレーベルであれ、商業出版レベルにあるとは思えません。
こないだの献血ネタみたいに、笑えるツッコミどころがあるわけでもないのが残念なところ。
無意味さを自覚しつつ強いて挙げれば、「着流し意味ないやん!」とか、「主人公グループ四人の関係、「いじめ」否定から始まったのに、結局その根幹にある生徒間での階層性を再認するものでしかないやん!」(長いな)とかかな。
特に後者は、この人がどうにも漂わせてしまう気持ち悪い偽善性における、本質的な問題を露呈していると思う。
評価はC−。

*1:あえて述べればこないだの雪密室よりはマシだったけど、子供騙しもいいとこ。