ネタバレ特になし。
SF作家、式貴士の別名義。ワセミス出身てことで、ミステリをネタにしたエッセィ集です。
「人体」「風物」「生物」といった各項目ごとに、それを用いたトリックの作例、作品紹介をする、ってのが基本構造です。ネタバレは容赦なく、他の凡百の作品ならともかく「チャイナ橙」あたりを丸バラシしているのは、どうかなーと思わないでもなかったですが。
「コレ読みたい!」とアツくなるような紹介にはなっていませんが、基礎教養として目を通す価値のある本だとは思います。昔の国内作品とか見事にバカバカしいトリックが目白押しで、知性に恵まれた筈の人々が、「それ」に魅入られたばかりに、ひたすらバカバカしいことを考え続けざるを得なかった、その蓄積の上にこそ、僕らの愛する「本格」があるのだと、そんないとおしさを再確認するにもいい本でしょう。
評価はC。
- 作者: 間羊太郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/11/10
- メディア: 文庫
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