『池袋ウエストゲートパーク 1』

お正月だからDVD鑑賞。
ということで懐かしいIWGP、私的には史上最も好きなテレビドラマ作品です。VHSに録画してたのはテープ擦り切れるほど観てたけど、それは捨ててしまって、DVD観るのはこれが初めて。
1巻には第1話「イチゴの回」が収録。斬新なカットに音楽*1、キャストの魅力やユーモアセンス、サブカル的な情報性、このドラマを称揚するべき要素は数限りないけれど、今回何回目か分からない視聴を経て思ったのは、連作短編としての原作を1クールのテレビドラマに焼き直す、その換骨奪胎の巧さでした。
原作では一エピソードに過ぎない「ストラングラー」の話を背骨としてシリーズに通し、数々のエピソードで伏線引っ張りながら、「サンシャイン通り内戦」に絡ませてラストで究極的に盛り上げる、その「力技」ぶりは、原作読んで、またこうして改めてドラマ観てみると、実際圧巻の巧さです。パーフェクトです。クドカン、リアルタイムで観てた高校生の頃はその小ネタや小ギャグを喜んでたように思うけど、今は連続テレビドラマという大枠を支配する、そのシナリオのダイナミズムになにより感じ入るのでした。そしてまた、この「イチゴの回」だけでも事件の構造は実は完璧に分かるんだよね、伏線から話の流れから、あまりにも明白に。これから1クール引っ張るのに、実は情報としては既に完結してんの。すげーよ。
このドラマがある意味伝説的存在になってしまって、原作もそれに引っ張られつつ、やがてエッジを失って人情噺的になりつつ、巻を重ねています。ドラマでは描かれなかったエピソードも多くなってきて、続編を作れるのには十分すぎる量がありますが、多分もうやらないでしょうね。キャストは替えなきゃいけないだろうけど、長瀬を超えるマコトはともかくとして、窪塚を超えるタカシはどうやったって想定できません。かつて窪塚洋介という俳優がいて、眩い輝きを放っていたこと、その事実がなにより奇跡的に焼きついたフィルムですから、これは。
全部観ーようっと。

*1:會田茂一にKREVAですぜ。