ネタバレ特になし。
子連れの私立探偵・ボウディンが乳児誘拐を追うハードボイルド…と言うにはややコージィ味の強い、まあとにかくディテクティヴ・ストーリィです。
まあ過不足なくできているかな、という感じ。代理母問題や移民問題、ベトナムなどの同時代的な社会的トピックを織り込んで、それらを包括する形で「家族」という主題があり、そしてそれを主人公・ボウディンの生き様に象徴させる、という、なかなかまっとうな構成がされていると思います。ラストの処理もそれに見合って粋だと思いました。
…でも、新鮮さやインパクトに欠ける面は否定できませんね。もっとダーティに刺激的でも良かったかな。
評価はC。
- 作者: トマスバン,Thomas Bunn,汀一弘
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1993/06
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (1件) を見る