ZAZEN BOYS/THA BLUE HERB "NAGOYA CLUB QUATTRO 20th ANNIVERSARY SPECIAL"

2009.7.10@名古屋クラブクアトロ
個人的第二夜。今夜は先輩後輩その友人合計五人の大所帯。皆ブルーハーブ好きだね!
…しっかし、濃いツーマンだった。濃すぎるんじゃねぇかといささか思ったりもしないでもない。
で、RSR2007以来三度目のブルーハーブから。
1. THA BLUE HERB
曲の終わりで歓声を上げたり、拍手をしたり、アドリブに応えたりしたいんだけど、それすらも躊躇ってしまうような緊張感のあるアクト。序盤は「MAINLINE」あたりを中心に、アッパー系のパフォーマンスもあったけど、後半はもう、ステージへの吸引力と、感情への浸食能力をひたすら研ぎ澄ましたような構成だった。

心をすり減らしその削りカスで得るモノ
つまり情熱よ お前のスタミナをためすぞ
(「STILL STANDING IN THE BOG」)

安っぽい連帯から最も遠いところに、彼らの音楽とライヴのメッセージはあって。白眉はなんと言ってもラスト、「ILL-BEATNIK」。先は長いな。まったく。
そんなシリアスで稠密な空間が解けて初めて見せる無双のMCの、達成感に満ちた笑顔と率直な感謝の言葉にも胸を打たれた。あんないい笑顔ないね。
2. ZAZEN BOYS
…こんなことになってたんかw
買った1stすらあまり聴かずに離れてしまっていたので、ライヴは無論初。NUMBERGIRLは解散直前、くるりとの対バンを仙台で観たから、生向井はそれ以来。六年ぶり…? ルックス全然変わってなかったけどw
で、音はアホほど強靭でした。一粒一粒が致死的な雹の嵐みたいな音楽。よく分からんか。ベースはおろかギターすら打楽器のようだった。
問答無用でパワフルなロックに身体を揺らしながらも、なんというかソングライタとしての向井には、「歌いたいこと」なんてもうなんにも無いんだろうなあと一抹の寂しさに襲われたのも事実。しばらくナンバガ聴き返してるかも。
もはや通常の楽曲からインスト・ジャムバンドみたいだったけど、なおかつセッション・パートがあって。そのイメージをメンバに開陳する向井の発言…≪エレジー…エレジーを感じて…エレジーとは哀歌…漢字で書くと…「高校与太郎哀歌」とかあったでしょうが…よし、つげ義春みたいな感じで≫…。
伝わるかそんなもん! 高校与太郎哀歌はきうちかずひろであってつげ義春とは真逆だし、実際出てきた曲にその要素カケラもないし。
…まあ、面白かったっすよ。
終演後カウンタにBOSSがいたけど、あの眼光、話しかけられるわけないね。無理無理。