くるり 『魂のゆくえ』

えーと、八枚目ですね。
前作『ワルツを踊れ』以降、一体どんな風に舵を切るのかと思っていたのですが、こう来ましたか。
貫禄と余裕の感じられる、王道的なギターロック・アルバムです。ピアノやホーンセクションも、センスよく造詣を加えています。なんだかんだで『ワルツを踊れ』はそんなに聴かなかったんだけど、これはよく聴いています。
さよならストレンジャー』と『図鑑』の間にアルバムがあったら、こんな感じだったんでしょうか。サウンドの面ではプレイヤビリティと新たなエッセンスを加え、確かに最新式のくるりではあるのに、なんだか懐かしくて、僕は特に自分のロック・リスナ史の原風景を見るような気もして、嬉しい作品でした。
特に好きだったのはスケールの大きなミディアムナンバ。「太陽のブルース」と「Natsuno」。なんか懐の深いバンドになったなあって。
しかしこうストレートだと、評する言葉に困る。まあ「好きだ」って一言は、何より雄弁かもしれない。

魂のゆくえ

魂のゆくえ