田口ランディ『忘れないよ! ヴェトナム』幻冬舎文庫

ネタバレ特になし。
紀行…というか滞在エッセィ。
バックパッカーだけど金はある、みたいな感じかな。フラットな語り口で、過度な思い入れとか、旅に対するロマンティシズムのようなものが鼻につかないのはいいね。作中でたびたび引かれる宗教的な小訓話はどうかと思わないでもなかったが。
ただ、ベトナムの風土というよりは、旅の道連れとなった「人」の観察・描写に筆が割かれすぎの感もあり。旅の魅力をそういうものに求めるのであれば、それは美点ともなろうが。
評価はC+。