『三宅裕司のワークパラダイス』

悩んだんだよ…。
ふと思い出して検索してみたら、DVDが出てやがる。一万五千円という値段に三十分ほど逡巡しつつ、でも結局買うだろうことは分かっていた。そしてまた手取りが減るのです(天引きだから)。
三宅裕司をホスト役として、生瀬勝久が「ウナギのぬめり選別士」だの「植物弁護士」だのといった、バカバカしい架空の職業人として、バカバカしい架空の職業上のエピソードを語る、というコント番組です。深夜番組としてリアルタイムで観ていたのは高校生の時。一時期日テレが地方局に深夜でバラエティを作らせていた時代があって、例によって時代の迷子そのものだったけれど、山口放送の制作になるこの番組は奇跡的に面白かったのですよね。高校時代の友人なら、突如出会った異形のコント士…生瀬勝久について僕が興奮気味に語っていたのを憶えているやもしれません。
ということで、生瀬勝久を僕がはじめて認識したのがこの番組、正確には第二夜、「ヨット数え」の回だったのですよね。「なぜヨットを数えるのか」、という問いに返したまさに驚天動地の理由には、深夜に声を殺しながら腹を抱えたものでした。高校以降の友人の皆さまも、僕がそれを語って一人で笑ってたのを憶えてみえるやもしれません。
で、特にその「ヨット数え」や「ダルマ電話相談室」、そして衆目の一致するところであろう最高傑作「害虫共存振興会」といったあたりは、こうして列記しただけで含み笑いをしてしまいますが、全然古びていない、完成されたコント作品となっています。ただまあこれはある程度設定や脚本がしっかりしているからで、生瀬の本領ではない気もしますけどね。「植物弁護士」とか、グダグダの中で病んでいくさまもそれはそれで愛らしい。そして僕が実生活上、子どものことを「お子」と呼ぶのは、「害虫共存振興会」蟇重司さんの影響です。イタイね。
最後にこの番組、途中からアシスタントが加わるのですが、田中千絵さん、やはり今見てもかわいいっす。俺が「売れる!」つって売れなかったのってこのコと三輪明日美ぐらいだったな…。今は台湾で活動中とのこと。がんばってください。