GRAPEVINE "tour 2008"

2008.9.13@横浜BLITZ
意外と狭い横浜のブリッツ。ダイアモンド以下だったような。
相方の熱意のおかげでsold outながらも二桁の整理番号、最前ド真ん中、前から三人目といったレベルのベスポジを確保。久方ぶりの圧迫モッシュに踏ん張る場面もありつつ、そのほとんどは環境から遊離して、運指まではっきりと見えるバンドアクトの精細と、その音の渦の稠密にのまれた時間だった。
音が結構良いハコだったし、ポジションの影響もあったと思うけど、ダイアモンドなんかで観ると結構気になるハウリングや高音のトビがほぼ気にならず、一流のロックンロール・ライヴに思うさま浸れた。「スレドニ・ヴァシュター」の不穏にジリジリとした高揚感。「棘に毒」「指先」の流れに炸裂したセンチメント。「エレウテリア」の圧倒的な美しさ。音源とはややアレンジを変えて、なお深みを増した「Two」「Wants」のディープな顕現。「フラニーと同意」から始まる本編ラスト、問答無用のアゲ地獄。それをシメた「Glare」も、確かに理想的なバランスを誇っていた。
そして、最近一曲挟んでくる懐かしい曲コーナーは、今回アンコールで「望みの彼方」。

まだ夢は見れますか? 君が何度も言ってた
頭の上に撒散らした 望みの彼方を見てた
伝えられるはずだった
君の姿を見てた
(「望みの彼方」)

…泣くだろうこれは。
壮大だしセンチメンタルだし、いい曲だよね。その後の二曲が正直どうでもよかったもんなw
さて、分かりきってはいたことですがいいライヴ、最高のライヴ・バンドです。そしてこういうバンドを音響のいいハコで観られる幸せは同時に、音響の悪いハコの罪悪をも暴露するのでした。
名古屋公演は行かないけど、またすぐにでも観たいものだわ。

セットリスト:1.Sing 2.CORE 3.スレドニ・ヴァシュター 4.suffer the child 5.冥王星 6.ジュブナイル 7.棘に毒 8.指先 9.スラップスティック 10.鏡 11.エレウテリア 12.また始まるために 13.ランチェロ'58 14.Two 15.Wants 16.女たち 17.アンチハレルヤ 18.フラニーと同意 19.FLY 20.超える 21.Glare en. 1.望みの彼方 2.報道 3.その未来