村上龍『海の向こうで戦争が始まる』講談社文庫

ネタバレ一応注意。
イメージの作風とは異なる、ダークでリリカルなメルヘン調。
海辺でリゾートしてる(?)主人公と女が、「戦争」に至る人々のエピソードを幻視する。その視点切替のいい意味でのアブストラクト、各エピソードの道具立てとリリシズム、そしてなによりの崩壊感覚と見所の多い佳作であった。
最近の村上龍の、あの油ぎったような感じからは想像し難い作品だが、俺は好きだ。
評価はB。

海の向こうで戦争が始まる

海の向こうで戦争が始まる