森見登美彦『四畳半神話大系』角川文庫

ネタバレ一応注意。
モリミーの二作目、待望の文庫化。親本太田出版やったで心配やったけど、待ってたんよー。
話はいつも通り、京都、男子大学生、男汁。今回は入学時の四つの「選択」から派生するパラレルワールドが連作として展開。
反復の中での「ズレ」と伏線の絡み、小粋なテクニックが冴えていますが、やはり本領は語り口。独白も、存在感抜群の各キャラクタの造型、特に跳梁跋扈の悪友・小津も面白すぎる。ここまで全編フルに愉快な小説を読ませてくれる作家はそういないぜ。
樋口師匠や羽貫さんなど、シリーズ(?)キャラも確立し、ますますその世界に触れるのが楽しみな作家になりました。さっさと文庫化!
評価はB+。

四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)