チャットモンチー "チャットモンチー 07/08 ライヴ 「生命力みなぎりTOUR」"

2008.1.20@Zepp Nagoya
ホントに生命力みなぎってたなあ…。ベースラインの一音一音、キックの一打一打、ギターストロークのひとつひとつが、こんなにもクリアで、稠密に、なんの夾雑もなく届くライヴは久しく記憶にない。ダイアモンドで観たのは半年ぐらい前になるのかな、あの時よりも遥かにスケールと躍動感を増したように感じられた佇まいと演奏は、Zeppの「ライヴハウス」というレベルにあっては大きなステージ上で、もはや貫禄すら感じさせるレベルに達していて、彼女たちなら武道館も苦もなくその色に染め上げるだろうと頼もしく思った。これをバンド・マジックと言わずしてなんと言おうか。
『生命力』中、その随一の疾走感においてアルバムタイトルを象徴する「真夜中遊園地」から、その最新アルバムからのナンバを中心に、『耳鳴り』*1と新しいシングル曲の構成。繰り返しになるがどの曲も素晴らしかった。スリーピース・ロックバンドの方法論として、彼女たちはあまりにも正直に、ド真ん中の王道を突き進んでいる。その覚悟の正しさが、ステージ上に雄弁に証明されたアクトだった。「世界が終わる夜に」はまさに圧巻。そしてなんで橋本のヴォーカルはあんなに磐石なんだ。
新曲では「意気地アリ」が気に入りました。福岡晃子のMC、《名古屋の意気地なしに捧げます、「意気地アリ」》の後、疾走感に満ちた音像と可愛げのある詞…《わたし意気地あるから》…にまんまとヤラれた。多分あっこ詞だなコレ。そして…やっぱり「バスロマンス」にヤラれた。聞けばやはり男子人気の高い曲なんだとか。やっぱこの甘いロマンティシズムはオトコノコだよなー正直(何コイツ)。
…でだ。アンコールは橋本と福岡の連弾、高橋のクラリネットで「素直」と、ピアニカに持ち替えての「サラバ青春」。高揚しまくりのバンド・パフォーマンスから一転、会場をたゆたうあたたかな響きに、彼女たちの音楽の豊穣が宿っていました。
今年のライヴ初めで、いきなりベストアクトが決まってしまったかもしれない。それぐらい、インパクトと満足感の高いライヴとなりました。
セットリスト:1.真夜中遊園地 2.Make Up! Make Up! 3.とび魚のバタフライ 4.橙 5.親知らず 6.手のなるほうへ 7.ハナノユメ 8.恋の煙 9.ヒラヒラヒラク秘密ノ扉 10.ウィークエンドのまぼろし 11.世界が終わる夜に 12.おとぎの国の君 13.恋愛スピリッツ 14.ドッペルゲンガー 15.バスロマンス 16.モバイルワールド 17.ミカヅキ 18.東京ハチミツオーケストラ 19.意気地アリ 20.コスモタウン 21.女子たちに明日はない 22.シャングリラ en. 1.素直 2.サラバ青春
追伸…福岡晃子さま。今日のあなたの赤毛エクステ振り乱しての演奏は、私的「ライヴ観た中で一番かっこよかったベーシスト」第一位の座を、実に五年ぶりに中尾憲太郎氏より奪回されました。*2…これからもよしなに。
※文中えっちゃんあっこクミコンという単語を極力排してみました。欺瞞的!

*1:「ハナノユメ」→「恋の煙」の流れは失神しそうでした。

*2:原昌和は別格…と言うか別ジャンルです。