似鳥鶏『理由あって冬に出る』創元推理文庫

ネタバレ特になし。
鮎川哲也賞の佳作らしいが、ダメね。「ダメな青春ミステリ」の見本みたいな作品。
醒めた主人公の視点とか、ファニィな文化部員たちの雰囲気とか、エキセントリックな探偵役とか、登場人物が皆類型的。トリックも伏線もユルければ、安っぽいドラマをミステリと無関係な部分で語りすぎる。
米澤穂信クラスの作家でさえ「古典部」シリーズは寒いのだから、この程度の筆力の新人作家にはあまりにも荷の重い仕事だ。日常の謎系青春ミステリってやつは。しかも学園モノ。
無意味にラーメンズの名前出すのやめてください。
評価はC−。*1

理由(わけ)あって冬に出る (創元推理文庫)

理由(わけ)あって冬に出る (創元推理文庫)

*1:ラストの独特の味を拾ってD回避。