森博嗣『フラッタ・リンツ・ライフ』中公文庫

ネタバレ一応注意。
やっぱこのシリーズの文章はキレてる。未だに純粋に感嘆する。世界観ともこのうえなくうまく絡んでるし、漂うこの空気感だけでも第一級の読み物だと思います。
ただまあその一方で、ドラマ性としては物足りない部分がある。でも今回は、娼婦を連れ出して海岸沿いに車停めて、月を見上げながら濡れた頬に手を寄せる、なんて村上春樹木下理樹か、みたいなシーンがあって、萌えた。
森作品には似合わない言葉だが、「ロマン」が匂い立つような小説。
評価はB。

フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (中公文庫)

フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (中公文庫)