ネタバレ特になし。
戯曲集第二弾。
この『椿』『雀』『鯨』の漢字シリーズ三公演は、『零の箱式』と四本でDVD-BOXセットになっていて、大学一年とかで一番引きこもってた時期に、それこそ嘗め尽くすように観ていたのですよね。それぞれの代表的作品はベストDVDとかにも収録されてるし。
なので。もう字面を追う以前の段階で、小林の声色、片桐の表情と動きが完璧に脳裏で再生される。そのリズムやテンポ感も。なのでまっさらな読者としてこの本を読んでどう評価するか、客観的な判断はどうしたってつかない。
でも特に、「バースデー」の至極のテンポ感、「男女の気持ち」の小林のノリとキレといったもの…彼らのパフォーマーとしてのコント・マジックを文字で伝えることは不可能だということは言える。しかしそれに立ち向かうだけの品質を備えた脚本だと思うし、やはりそれは、生のパフォーマンスを欠いてなお面白い、「バースデー」「器用で不器用な男と不器用で器用な男の話」「男女の気持ち」という、それぞれの公演の代表的名作によって証明されている。
特に「器用で不器用な男と不器用で器用な男の話」、僕があらゆるコント作品で最も衝撃を受けたそのオチは、コレで読んでもやはり珠玉だ。
評価はB+。
- 作者: 小林賢太郎
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/08/01
- メディア: 文庫
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